第96回全国高校野球選手権東東京大会 決勝戦

都市対抗の時期が1週間後ろにずれたことで、高校野球地方大会と都市対抗の佳境が重なるようになりました。そんなわけで仕事を午前中で切り上げ神宮に直行。
先発は二松が大黒、帝京が清水の両エース。序盤は双方テンポの良い投球に早打ち気味な打線も手伝い、3回を25分、4回を40分というハイペース。内野の守備も堅く、特に二松北本・帝京鈴木の両サードは何度も好プレーを見せ、サクサク試合は進んでいきます。
試合が動いたのは5回裏。帝京の攻撃は1死から安竹がセンター前に運ぶと、これをセンターが後ろに逸らし2塁進塁(記録は2ベース)、続く笠井が左中間を破るタイムリー2ベースで帝京が先制。6回にも1死から鈴木がライト線への2ベース、郡がストレートの四球で1・2塁とすると、続く中道がライト線にタイムリー2ベースを放ち追加点。ここで大黒は降板、2番手は1年生左腕の大江。交代後も帝京打線は攻め続け、浜田がライトフェンス直撃のタイムリー、清水四球で1死満塁。帝京の徹底したライト方向狙いにビッグイニングの予感が漂うも、ここで大江が踏ん張り、安竹を浅い左飛、笠井を見逃し三振に打ち取りピンチ脱出。
ダメ押しは免れたとはいえ6回を終わって帝京3点のリード。二松はまたも準優勝止まりか…との声が周辺で聞こえてきた7回表、試合の展開が一変します。1死から岡田レフト前、秦四球で1・2塁とすると、1年生ながらスタメンマスクを被っていた今村が大飛球を放ち、レフトスタンドにギリギリ飛び込む同点3ラン!まさかの展開にスタンドは大盛り上がり。
直後の7回裏に鈴木に勝ち越しタイムリーを許すも、8回表に小峯のタイムリー内野安打ですぐさま同点。大江-今村の1年生バッテリーも息が合い、8回裏2死1・2塁、9回裏2死1・3塁のピンチを見事凌いで延長に突入します。
初回からずっと投げ続けていた清水に対し、10回表の二松の攻撃は1死から北本がレフト前で出塁、続く竹原の打席でエンドランを敢行!打球はショートの頭を越え、さらにレフトの横も抜けてフェンスに達し、タイムリー3ベースとなって二松がついに勝ち越しに成功します。
その裏も大江が続投。清水を中飛、安竹を二飛、そして笠井を二ゴロに打ち取りゲームセット!11度目の挑戦にして、二松學舎大附が悲願の初優勝を飾りました。

試合後には市原監督と竹原主将のインタビュー。過去何度も苦い思いをしてきた監督の「最後に二ゴロが飛んでも不安で仕方なかった。その後は夢を見ているよう」、主将の「次の小峯に繋ぎたかった。打球が外野を抜けて嬉しかった」との話が印象的でした。期せずして 昨夏昨秋 と二松のあと一歩の試合を追ってきた私にとっても、胸に迫るものを感じますね。
 
最後に試合を決めたのは上級生でしたが、そこまでの道のりを作ったのは紛れも無く大江今村の2人の1年生でしょう。この2人がバッテリーを組むであろう来年・再来年のチームにも今から期待が高まりますが、まずは今年の甲子園、旋風を巻き起こしてくれることを期待しています。