第85回都市対抗野球大会 決勝戦

その後はドームへ。3連覇を狙うJX-ENEOS、2度目の優勝を目指すNTT東日本がともに準決勝で敗れ、決勝はどちらが勝っても初優勝となる富士重工業太田市)vs西濃運輸大垣市)。天覧試合のため厳しいチェックも無事通過し、特別席を確保。
先発はスバルが日立から補強の猿川、西濃がエース佐伯。ともに準決勝で温存され満を持しての登板で、初回は両者3者凡退。大量点を取るのは容易ならず、何としても先制するのが重要という様相を呈します。
その先取点を挙げたのは西濃でした。2回先頭の伊藤の飛球を深追いしたセカンドが取れずにライト前ポテン2ベースとなって出塁すると、阪本が初球をファーストの横を破るライト前で1・3塁、続く谷も初球をファーストの頭を越すライト前タイムリーで先制!さらに藤中四球で無死満塁と畳み掛けのチャンスも、ここは猿川が踏ん張り三振三振遊邪飛で1点止まり。
一方の佐伯はサイドハンドから絶妙なボールの出し入れ、緩急も上手く使ってスバル打線を翻弄。5回まで小杉のレフト前ヒット1本に抑え、付け入る隙を与えません。猿川も失点後は立ち直り、3〜5回まで無安打に抑えるも、6回裏の西濃の攻撃は2死から伊藤がサード強襲の2ベースで出塁。続く阪本はショートとレフトの間に落ちるポテンヒット、際どいタイミングも伊藤が生還し、西濃にとってこれ以上無く貴重な追加点が入ります。
ここで猿川は降板し、新日鐵住金鹿島から補強の石崎がリリーフ。石崎は豪速球で押し西濃の追撃を阻むも、佐伯の投球はそれ以上に冴え渡りました。6回は1死から船引にドラッグバントを決められるも日置に送らせずスリーバントを失敗させ、7回は1死から林にレフト前に運ばれるも続く大熊を注文通りの6-4-3。8回は3人で抑え、最終回も冨村三ゴロ、田辺一ゴロ、そして小杉を左飛に打ち取り試合終了!3安打無四球完封、2塁さえ踏ませない完璧なピッチングで、西濃運輸が初優勝を飾りました。

過去2年予選落ちが続いていた西濃も、今年は予選全勝で東海第一代表の座を射止めると、本戦では田中・佐竹・宇田川の補強選手を加えて勢いを一段と増し、東芝JX-ENEOSの神奈川2チームも破ってそのまま頂点に上り詰めました。選手・監督・コーチの皆様、応援団の皆様、大垣市民の皆様、その他関係者の皆様、そして荻田マネージャー、おめでとうございます!一方敗れたスバルも秋夏連続準優勝は見事。この秋3度目の正直に期待したいですね。
橋戸賞は佐伯、久慈賞は小野、小野賞富士重工業首位打者賞は.550で西濃伊藤、打撃賞は西濃阪本、若獅子賞は西濃伊藤にスバル小野・NTT東横山の桐蔭横浜コンビ。例年なら若獅子賞に選ばれているはずの猿川や東京ガス山岡が漏れたあたり、今年の新人のレベルの高さを感じる大会でした。
さて、今回神奈川勢が黒獅子旗を逃したことで、来年の西関東予選は2枠。久しぶりに企業間の熱い争いが始まります。それに割って入るクラブチームの奮闘も一段と楽しみですね!