神奈川大会もいよいよ佳境の準々決勝2日目。第1試合は昨年38年ぶりの初戦敗退をバネにここまで勝ち上がってきた日大藤沢に対し、創部初のベスト8進出の山手学院。日藤の先発は背番号11の大倉、一方山手はエース杉山。完投した4・5回戦に続き3試合連続の先発となった杉山でしたが、初回先頭の中村を四球で出すと、2死2塁から西川に左中間を破られ失点。2回にも先頭菅原への四球から頼住・中村にタイムリーを浴び2失点と序盤でリードを許します。しかし3・4回と得点圏に走者を背負いつつも後続を打ち取ると、5回は先頭西川の3塁線への当たりが抜けて長打コース…かと思いきやベースに当たり跳ねてシングル止まり、続く内田を4-4-3。運も味方し日藤打線に追加点を許しません。
序盤は日藤守備陣の乱れに付け込みチャンスを作るもあと1本が出なかった山手打線でしたが、ようやく5回、塚本・水上の連打で無死1・3塁とすると、杉山が自らショート内野安打を放ち1点を返します。さらに西島が送って同点のチャンスも、右飛二ゴロで得点ならず。
ともかく点を取った直後の守りを大切に行きたい山手でしたが、直後の6回、頼住のポテンヒット・中村のボテボテヒットでピンチを迎えると、秋元凌にライト前タイムリー。7回は内田にソロを被弾と、日藤の打線にジリジリと差を広げられてしまいます。山手打線も7回遊ゴロの間に1点を返すも、8回2死2塁から西川にタイムリーを浴び、ついに降板してレフトへ…。とは言え15安打を浴びつつもよく耐えての力投に、球場全体から大きな拍手が送られました。後続はリリーフした北谷が断ち、9回も無失点に抑えるも、打線が大倉の前に抑えられそのまま試合終了。山手の快進撃もここまででしたが、大盛り上がりの全校応援をバックに実力を出しきり、日藤と渡り合った好ゲームでした。


そして第2試合、東海大相模の先発は左のエースの小笠原、平塚学園は2年生エースの高田孝。高田孝は初回宮地を四球で出すも杉崎を6-6-3に打ち取り無失点、順調な立ち上がりを見せますが、2回2死から永倉竹内の連打で1・3塁とされると、川地は鋭いゴロもショート戸張の真正面、しかし止めた後ボールが手につかず、タイムリーエラーとなって相模が先制。しかしその後はセカンド一場のファインプレーも飛び出し立ち直りを見せます。
小笠原の前に3回までノーヒットに抑えられていた平学打線は4回2死から東が初ヒット。この回は無得点に終わるも、続く5回は先頭の松本がセンター前。そして小笠原の牽制が悪送球となる間に一気に三進すると、野瀬は浅い中飛も松本が果敢にホームを突き生還!平学が同点に追いつくと、その後も高田孝は好投を続け、後攻ということもあり流れは平学ペース。そして7回、先頭の戸張が死球で出塁し、絶好の勝ち越しチャンスを迎えます。そして松本の打席でエンドランを仕掛けるも、結果は最悪の三振ゲッツー…。
その直後の高田孝は先頭を打ち取るも、1死から宮地に左中間を破られ、送りゴロで2死3塁となり迎えるは4番豊田。その初球、キャッチャーは外に構えたものの、内に甘く入ってきてしまい、豊田は見逃さずレフト前に運び相模勝ち越し、ついに均衡が破れます。そして相模の9回の攻撃は無死1・3塁として小笠原は遊ゴロ、戸張がバックホームも走者早く野選となり大きな追加点。相模打線はいよいよ勢いづき、宮地杉崎豊田の3連続タイムリー長打に磯網の遊ゴロでこの回一挙6点、試合を決定づけます。大援護を受けた小笠原はその裏も球威衰えず、平学の反撃を封じて3安打1失点完投勝利。連覇に向けて大きな山を1つ越しました。