この嘉義市立野球場はCPBLの試合も開催される球場であり、甲子園の銀傘を思わせる屋根で日射対策も万全なものの、スコアボードはチーム名や選手名が表示されない簡素なもの。大会のパンフレットも売っていないようだったので、間もなく始まる3位決定戦の韓国vsアメリカは背番号を頼りにしての観戦となりました。
韓国がCHOI JY、米国がデービスの先発で始まった試合は2回表に韓国が1死満塁のチャンスを作るとYOO HSが四球を選び押し出しで先制、さらに2死からKIM KDがセンター前に2点タイムリーを放ち、この回3点を先制。デービスをこの回途中でマウンドから引きずり下ろします。その後アメリカは2番手ゴールズベリー、3番手ウレーンと継投して韓国打線を抑えますが、ウレーンが2イニング目に入った6回、韓国は無死満塁のチャンスを作ると、YOO HSがファーストの横を抜く2点タイムリー2ベース、続くKIM GWもセンター前2点タイムリーを放ち、この回4点を追加。点差を7点に広げます。
CHOIの前に6回まで無得点が続いていたアメリカ打線でしたが、7回にようやく反撃開始。1死からリティーがライトにホームランを放つと、2番手のLEE JOに対しても2・3塁と攻め立て、コンセンティーノがライトに2点タイムリー3ベース、続くグローシャンズの遊ゴロの間にコンセンティーノ還りこの回4得点。3点差に迫ったものの、LEEは8・9回と続投し、アメリカの反撃を断って逃げ切り。韓国の3位、アメリカの4位が決まりました。


この試合の開始が1時間早まっていたことで決勝戦までしばらく時間が空いたため、嘉義を代表する観光地である檜意森活村を訪れることに。歴史的街並みや民家が再現された中でヒノキにまつわるお土産などを買い込んだ後、日本でも上映された映画KANOのロケ地ともなった近藤監督の家にお邪魔し、ケーキと阿里山珈琲を御馳走になりました。
   



そして球場に戻ると、決勝戦を前にスタンドは大入りの状態。地元台湾の初優勝を期待する雰囲気の中、日本が伊勢、台湾が魏碩成の先発で始まった試合は初回日本が3四死球で満塁のチャンスも、中山中飛で無得点。すると直後の2回表、台湾は施冠宇・姚冠瑋のヒットで1死1・3塁と攻め立て、楊志翔の二ゴロを吉田バックホームも間に合わず野選で台湾が先制。なおも高宇杰がセンター前で1死満塁、一気に畳み掛ける勢いもここは伊勢が踏ん張り李承恩三振・劉致榮遊直。最少失点で切り抜けます。
リードを許し、2回までノーヒットの日本打線でしたが、ようやく3回1死から吉田がサードへの内野安打で出塁すると、続く越智がセンターに逆転の2ラン!4回にも先頭森下が四球、飯迫のバントを魏碩成が2塁に悪送球して1・3塁となり、ここで台湾の投手は劉軒荅に代わるも、代わりばなを相馬がライト前タイムリー。その後2死2・3塁となり、前打席ホームランの越智は申告敬遠で歩かされるも、続く加藤がレフト前に2点タイムリー、さらに郡司もライト前タイムリー!この回一挙4点を挙げて台湾を突き放します。
援護を受けた伊勢は復調し、4・5・6回と三者凡退に切って取ると、7回の2死1・3塁も洪瑋漢を遊ゴロに打ち取り、7回1失点と先発の役目を果たして降板。8回は磯村が登板し、2死から王政順をレフト前で出したところで中川に交代。中川は姚冠瑋にレフト線への2ベースを許し2・3塁とされるも、代打王詩聰を遊飛に打ち取り無失点。ピンチを切り抜けるとその裏、台湾3番手の林鋅杰から越智が猛打賞となるレフト前タイムリー、4番手蘇勝鴻からも加藤一ゴロの間に吉田が還り、この回ダメ押しの2点を追加します。
7点リードで9回を迎え、抑えのマウンドには石井が登板。張文賢四球・劉致榮ライトオーバー2ベースで2・3塁とされ、2死から李凱威のゴロを相馬捕れずタイムリーとなって2点を失うも、最後は施冠宇を投飛に打ち取り試合終了!日本が大会初優勝を果たしました。

試合後にはビクトリーセレモニーとクロージングセレモニー。6年前に桃園で予定されていた大会が中止になった時点でもう観る機会は無いかとも覚悟していただけに、今回大会が復活し、この場に居合わせることができたことにはただただ感謝するばかり。いつか将来、今回観た選手が上のカテゴリで再度観られることにも期待したいですね。
 

夜になり綺麗な光を放っていたボールを背に球場を後にし、鶏肉飯で1人祝勝会、そして台湾行脚の足跡を残してから宿に帰還。ちょうど始まったW杯の決勝は実況の内容が分からないためプレーに集中でき、フランスの優勝を見届けたところで就寝。最終日に続きます。