第91回都市対抗野球大会 決勝戦

垂れ幕の上のくす玉は無し、始球式も無しと異様な雰囲気で始まったNTT東日本とHondaの決勝戦。沼田と朝山の先発で始まった試合は初回Honda先頭の吉田が四球で出ると盗塁を決め、佐藤のセンター前タイムリーで先制。しかしNTT東も直後に先頭笹川がヒットで出ると盗塁を決め、喜納のライト前タイムリーで同点。同じような攻めで1点を取り合って以降は両先発とも立ち直り、同点のまま試合は中盤に入ります。
そして迎えた5回裏、Hondaは3巡目に入った吉田が四球で出ると、津田もライト前で続き1死1・2塁。ここで間を取りマウンドに集まるも続投を選択しますが、続く井上が初球のチェンジアップを振りぬくと、打球はライトスタンドに飛び込む勝ち越しの3ラン!ここまで7三振を喫していた沼田のKOに成功します。
しかしNTT東も直後に小林四球と向山ヒットで無死1・2塁。ここで間を取りマウンドに集まるも続投を選択、またも同じ展開かと思いきや、送られた後に左飛右飛でピンチ脱出!チャンスでの攻めで明暗が分かれると、またも試合が落ち着き終盤へ。NTT東は2番手の熊谷が7回に1死満塁のピンチを招き降板も代わった堀が投ゴロ遊ゴロで凌ぎ、一方Hondaは朝山が7・8回と三者凡退に抑えます。
いよいよ試合は9回に入り、Hondaは8回1失点の朝山に代えて福島が登板。優勝への形作りを進めるも、NTT東先頭の代打楠が気迫のヘッスラで内野安打をもぎ取り出塁。さらに下川がライト前で続くも、3点ビハインドながら3塁を狙った楠が余裕の憤死…。NTT東の反撃ムードが一気に萎み、息を吹き返した福島は火ノ浦を三振、そして笹川も3球で空振り三振に仕留め試合終了!Hondaが11年ぶり(かずさマジックから補強の橘は2年連続)の優勝を果たしました。

橋戸賞は井上。11年前の長野先輩に続いて背番号10で栄冠に輝きました。久慈賞は向山、惜しくも父は超えられずも親子2代での受賞という快挙。小野賞はともに初のベスト8入りを果たした四国銀行西部ガス、特別賞は本大会通算100勝達成のENEOS首位打者は.500(=10/20)でHonda佐藤、打撃賞はHonda吉田、若獅子賞はHonda朝山・倉敷オーシャンズ廣畑・NTT西日本藤井。セガサミーベスト4の原動力となった大内も惜しくも受賞はなりませんでしたが、受賞者と遜色ない活躍ぶりで、JPアセット証券の名を大いに知らしめました。
そして閉会式も終わり、今年の社会人野球もこれにて終了。クラブ選手権や日本選手権、各地のJABA大会が中止になる中、最後の砦の都市対抗は見事完遂に漕ぎつけました。来年こそは観客と応援に囲まれての試合を春から冬まで楽しみたいですね!