第70回全日本大学野球選手権記念大会 決勝

3年前は統計検定と重なり、一昨年は雨の影響で月曜に順延、そして昨年は大会中止。実に 4年ぶり に選手権の決勝を観ることができました。慶応義塾大が増居、福井工業大が南大の先発で始まった試合は初回2死から下山がサードのファンブルで出塁すると、続く正木がバックスクリーン右に先制の2ラン!2・3回は無得点に終わるも、4回に1死3塁として南大を降板に追い込むと、2番手の祝原から橋本典が犠飛。なお2・3塁と攻め立て、福井工大はここが踏ん張りどころと見て立石を投入も、廣瀬のゴロをサードが悪送球する間に2者生還(記録は1ヒット1エラー)。5回にも橋本典が2打席連続の犠飛を放ち、増居に援護をもたらします。
しかし福井工大もやられるばかりではなく打線で圧をかけ続け、増居は球数が嵩む展開。4回まで無得点も、5回1死1塁から佐藤が右中間を破るタイムリー2ベース、さらに2死から長峯がレフト前タイムリーを放ち、2点を返します。
5回を終えて慶應4点リードとは言え、相手は2度の2桁得点を経て決勝に上ってきただけに予断を許さない状況でしたが、6回に正木北村がアベックで猛打賞を決める連続タイムリーで貴重な追加点。増居はその裏を三者凡退に抑え、6回2失点と先発の役目を果たします。
そして7回からは今大会初登板の生井。応援無しだけに一段と響き渡る絶叫投法で2イニングを無安打無失点に抑えると、打線は9回、2死から満塁として渡部遼がライト前2点タイムリー、そして今日ここまで無安打の下山が初球をライトに3ラン!ダメ押しの5点を挙げます。
そして9回裏のマウンドは橋本達。福井工大も代打攻勢を繰り出しますが、圧巻の三者連続三振で捻じ伏せ試合終了!決勝では歴代最多となる11点差の圧勝で、慶應が34年ぶり4回目の優勝を果たしました。

試合終了後は堀井監督・福井主将・正木のインタビュー。点差こそついたもののそれほど力の差は無かった、ツキがあったと振り返る堀井監督、ベンチ入りメンバーだけでなく部員全員での勝利を強調する福井主将、そして緊張して先発に臨んだ増居を援護する値千金の2ランを放った正木と、それぞれがこの優勝を通過点としてその先を見据えていました。
  

MVPは正木、最優秀投手は防御率2.77で2勝を挙げた増居、首位打者は.563(=9/16)で渡部遼、そして敢闘賞は木村。決勝こそ無安打に終わり最多安打記録の更新はならなかったものの、北陸リーグ初となる決勝進出の立役者となりました。
さて、応援無しという物足りなさはあったものの、全連盟が代表校を送り込み、棄権無しで大会を完遂できたというのは何よりの明るい話。秋もこの流れに乗り、賑やかな神宮大会が観たいですね!