第63回全日本大学野球選手権大会 決勝

神奈川勢同士の対決となった決勝戦、先発は東海大が吉田、神奈川大が濱口の両エース。準決勝を児玉兒玉リレーで乗り切り中1日での登板となった濱口でしたが、序盤からボールが先行気味で球数が嵩む展開。2回には2四球で2死1・2塁、3回には四球と大城卓のヒットで1死1・2塁のピンチを迎えますが、いずれも後続を断ち、2010夏準優勝・2011春優勝の東海大相模メンバーを中軸に据えた東海大打線相手に一歩も引かない好投を見せます。一方の吉田も序盤から三振を量産し、特に3回は圧巻の三者連続三振。
均衡が破れたのは5回表。下石のヒットと四球で2死1・2塁のチャンスに、前の打席でヒットの大城卓がレフト前に運ぶタイムリーで東海が先制。追う立場となった神大は直後の攻撃で2死1・3塁も濱元三振、6回は1死から小室が内野安打で出塁も、稲垣のセンター返しに吉田が超反応、1-6-3のゲッツー。吉田の前に点を奪うことが出来ません。
試合は終盤に入り7回、先頭下石のヒットから2死2塁となり、打席には先制タイムリーの大城卓。神大バッテリーは勝負も、センターの頭を超えるタイムリー3ベースで貴重な追加点が入ります。9回には2死1・2塁でまたも大城卓に回ってくるも、ここは濱口が意地を見せ二ゴロ。9回を148球の熱投でした。
反撃の糸口を掴みたい神大打線でしたが、7回から登板の芳賀の前に内野安打1本に抑えられ、最後は高田が空振り三振でゲームセット。完封リレーで東海が優勝を果たしました。

東海は久保-小田嶋のバッテリーで日大を完封して以来、13年ぶり4回目の優勝。この間に3度決勝に進出するも早稲田の前に涙を飲んでおり、悲願の、そして総監督にも捧げる優勝となりました。一方の神大は惜しくも優勝は逃したものの、慶應を打ち破った勢いに乗り、準決勝の壁も越え、初の準優勝。神奈川大学リーグのレベルの高さを改めて示しました。
MVPと首位打者(.533=8/15)は大城卓、最優秀投手は3勝を挙げ防御率0.90の吉田、敢闘賞は濱口、特別賞は創価大田中。ベスト4に残り賞を受けたこの3校はすべて関東5連盟の所属ということで、秋には神宮大会の出場権を賭けて激しい戦いが繰り広げられるはず。今大会出場の叶わなかった桐蔭横浜や上武などの強豪も交え、今年の横浜市長杯から目が離せませんね!