あっという間に冬休みも終わり…ということで、何気に3年ぶりの公開となったドキュメンタリー「勝ち切る覚悟 〜日本一までの79日〜」を観てきました。これから観る方もいるかと思いますので詳細は避けますが、9月のカウントダウン中ずっと貯金2~3をうろうろしていたチームが牧主将のもとでまとまっていき、CS→日本シリーズと駆け上がっていく描写はやはり秀逸。4D映画でもないのに五感にフルに訴えかけてきた、これ以上無く濃密な1時間半でした。
その一方で、出演していた上茶谷・濱口は今年から福岡の地へ。早速恩返しとばかりに向かってきそうですが、打線はしっかりと跳ね返してほしいですね!

部屋の掃除をして、カレンダーを張り替えて、1日早い蕎麦をいただいて年越しの準備も万端。今年を振り返って印象に残ったのはやはり六大学オールスターに託けての北海道。石勝線不通の影響で道東を断念せざるを得ず、結局東根室に行けずじまいで終わりそうなのは悔いが残りますが、それ以外は大満足の旅行でした。
そして世間的には、都市対抗での三菱重工East初優勝、ベイスターズ1軍2軍のW日本一、横浜高校神宮大会優勝と、まさに横浜の年であったと言えるでしょう。来年はこれに満足することなく、夏秋連覇、リーグ優勝からの日本一、甲子園での優勝、そして横国の神奈川リーグ優勝と、さらなる横浜大進化に期待したいですね!

歴代勝利・ホームラン一覧2024

今年新たに2勝・4発が生まれたことで、勝利投手の輩出は5学年連続となり、また現3年生は4人がホームラン経験者に。過去の最長/最多記録は勝利投手の輩出が6年連続、1学年のホームラン経験者は5人ということで、どちらも更新に期待がかかる状況になりました。

入学 勝利投手 ホームラン
1925年以前 東(16) 内田(2) 東(5) 清水(2) 矢田(1)
1926年 野本(2) 野本(1)
1927年 遠藤(3) なし
1928年 なし なし
1929年 木越(2) 古舘(1) 広岡(1)
1930年 高橋(7) 笠間(1) なし
1931年 なし なし
1932年 梶原(5) 梶原(1)
1933年 篠原(3) なし
1934年 なし なし
1935年 久保田(6) 津田(1)
1936年 なし 野村(2)
1937年 由谷(5) なし
1938年 なし なし
1939年 佐藤(3) なし
1940年 岡本(1) なし
1941年 なし 樋口(1)
1942〜46年 山崎諭(12) 岩佐(6) 山崎喜(1) 澤田(1) 木暮(1)
1947年 なし 加賀山(4) 伊藤(3) 佐藤(1)
1948年 島村(7) 後藤(2) なし
1949年 由良(2) 岡部(1)
1950年 蒲池(6) なし
1951年 三笠(3) なし
1952年 なし なし
1953年 なし なし
1954年 吉田(7) なし
1955年 なし 矢部(1)
1956年 なし 渡辺克(1)
1957年 岡村(17) 樋爪(1) 片桐(1)
1958年 なし なし
1959年 なし なし
1960年 なし 安部(1)
1961年 新治(8) なし
1962年 なし なし
1963年 井手(4) なし
1964年 柳町(2) なし
1965年 橘谷(3) 小笠原(1)
1966年 石渡(1) 早川(1) 渡辺(1) 小林(1)
1967年 門松(4) 橋本(2)
1968年 岩城(1) なし
1969年 入試中止 入試中止
1970年 早川(3) 喜多村(1) 相川(1)
1971年 御手洗(4) 山本(3) 河野(2)
1972年 なし 平尾(4) 渋沢(2) 遠藤(1) 春日井(1)
1973年 大浦(1) なし
1974年 西山(8) 中澤(3) なし
1975年 なし 野村(1)
1976年 なし 大石(1) 福山(1)
1977年 なし 榊田(1)
1978年 大山(10) 国友(2) 水原(1) 下嶋(6) 中野(2) 大久保(1) 国友(1) 石井(1)
1979年 なし 中村(1) 小田口(1)
1980年 大小田(3) なし
1981年 大越(8) 朝木(4) 八重樫(3) 大越(1) 立迫(1)
1982年 市川(7) 中村(1) 草刈(6) 桜井(2)
1983年 なし 浜田(5)
1984 大澤(1) 石竹(2) 岩本(2) 笠間(1)
1985年 なし なし
1986年 なし 石井(1) 斎藤(1)
1987年 なし 青野(2) 小林実(1)
1988年 なし 吉江(1)
1989年 今西(1) 礒根(2)
1990年 松本(2) 肥田(2) 古川(1)
1991年 尾崎(3) 黒川(2) 濤岡(4) 北村(3) 石田(2) 片山(1)
1992年 高橋(7) 佐治(1) 沢田(3) 間宮(2)
1993年 なし 小原(3) 大山(1)
1994年 岡(1) 林(1) 丸山(3) 村田(2) 濱田(1) 佐藤(1)
1995年 氏家(3) なし
1996年 遠藤(8) 須貝(2) 伊藤(1) 仲戸川(1)
1997年 井上(1) 酒井(1) 武藤(1)
1998年 児矢野(1) 児玉(5) 山口(1)
1999年 浅岡(2) なし
2000年 なし 河原(1)
2001年 松家(3) 木曽(3) 杉岡(2)
2002年 木村(2) 松岡(1) 北野(1)
2003年 升岡(1) 升岡(1) 富田(1)
2004年 楠井(1) 重信(1) なし
2005年 なし 大坪(1)
2006年 鈴木(2) 高橋(1) 鈴木(1)
2007年 なし 鬼原(1)
2008年 なし 岩崎(1) 田中(1)
2009年 なし 舘(1)
2010年 鈴木(1) なし
2011年 なし 有井(2)
2012年 なし 白砂(1)
2013年 なし 山本克(2) 喜入(1)
2014年 宮台(6) 柴田(1) 田口(4) 楠田(4) 山田(3)
2015年 有坂(1) 竹中(1) 宇佐美(1) 三鍋(1)
2016年 宮本(1) 新堀(3) 辻居(3) 宮本(1)
2017年 なし 岡(3) 石元(3) 笠原(1) 梅山(1)
2018年 奥野(1) 大音(1)
2019年 井澤(2) 阿久津(3) 井澤(1) 中井(1) 浦田(1)
2020年 松岡(1) なし
2021年(現4年) 鈴木(1) 山口(1) 府川(1)
2022年(現3年) 渡辺(1) 酒井捷(1) 大原(1) 杉浦(1) 中山(1)
2023年(現2年) 現時点でなし 現時点でなし
2024年(現1年) 現時点でなし 現時点でなし

その一方で、直近の勝ち点試合 を最後に続いている、ホームランを打った試合では勝てない&勝った試合ではホームランが出ないというジンクスはまたも止まらず。逆に言えば両者が揃えば勝ち点もついてくるということで、来年は打って抑えて勝ち点を奪いまくる逆襲の年にしてほしいですね!

2024年まとめ(投手編)

100奪三振への道 2024年総集編

エースとして研究される立場となった平田が実力を十分に発揮できなかったのは誤算でしたが、マークを集中的に引き受けてくれたおかげか、鈴木太・渡辺が揃って規定回到達と完投勝利を達成。特に渡辺は防御率3.42の好成績で、2年時の松家以来実に22年ぶりとなる年間3点台を達成しました。

渡辺 (3年) 今年 23(=6+17)奪三振 → 通算 24奪三振
鈴木太 (4年) 今年 22(=10+12)奪三振 → 通算 26奪三振
平田 (4年) 今年 21(=16+5)奪三振 → 通算 39奪三振
前田 (2年) 今年 9(=5+4)奪三振 → 通算 9奪三振
佐伯 (2年) 今年 6(=4+2)奪三振 → 通算 6奪三振
長谷川 (4年) 今年 2(=2+0)奪三振 → 通算 3奪三振
森岡 (4年) 今年 0(=0+2)奪三振 → 通算 2奪三振
双木 (4年) 今年 2(=2+0)奪三振 → 通算 2奪三振
中村 (4年) 今年 1(=1+0)奪三振 → 通算 1奪三振
江口直 (2年) 今年 1(=0+1)奪三振 → 通算 1奪三振
横山 (2年) 今年 1(=0+1)奪三振 → 通算 1奪三振
吉田 (3年) 今年 0(=0+0)奪三振 → 通算 0奪三振
松本慎 (1年) 今年 0(=0+0)奪三振 → 通算 0奪三振

一方で渡辺以外に登板した3年生が吉田の2/3回のみ。その分前田・佐伯らに必要以上の負荷がかかってしまった感もありますが、新たに投手長に就任した増田を中心に底上げを行い、来年は多彩な勝ち継投を見せてほしいですね!

2024年まとめ(打撃編)

50安打への道 2024年総集編

年間で規定打席に達したのは中山・大原・内田・山口真の4人で、首位打者は中山が.313(21/67)で獲得。楠田以来の年間3割を、奇しくもその時と同じ秋の打率.341(14/41)で決めました。打点王は大原。ベストナインに輝いた春から一転、秋は厳しい攻めに苦しめられスタメン落ちも経験も、最後の立教戦で復帰すると2試合で5打点の荒稼ぎ。年間で14打点を積み上げ、こちらも楠田の記録に並びました。ホームランも府川・大原・杉浦・中山に飛び出し、ホームラン王を分け合ったものの、盗塁は他校の厳しいマークにも遮られ、最多が堀部の3盗塁に留まりました。

中山 (3年) 今年 21(=7+14)安打 → 通算 26安打 (1HR)
大原 (3年) 今年 17(=11+6)安打 → 通算 17安打 (1HR)
内田 (4年) 今年 13(=6+7)安打 → 通算 22安打
山口真 (3年) 今年 12(=6+6)安打 → 通算 22安打 (1HR)
杉浦 (3年) 今年 10(=2+8)安打 → 通算 10安打 (1HR)
酒井 (3年) 今年 8(=0+8)安打 → 通算 30安打 (1HR)
鈴木太 (4年) 今年 6(=3+3)安打 → 通算 6安打
府川 (4年) 今年 6(=4+2)安打 → 通算 7安打 (1HR)
門田 (2年) 今年 6(=0+6)安打 → 通算 6安打
榎本 (3年) 今年 6(=6+0)安打 → 通算 6安打
青貝 (3年) 今年 6(=6+0)安打 → 通算 11安打
堀部 (2年) 今年 3(=3+0)安打 → 通算 3安打
西前 (4年) 今年 3(=3+0)安打 → 通算 4安打
竹山 (2年) 今年 2(=0+2)安打 → 通算 2安打
小村 (2年) 今年 2(=0+2)安打 → 通算 2安打
藤田 (4年) 今年 2(=2+0)安打 → 通算 13安打
渡辺 (3年) 今年 1(=0+1)安打 → 通算 1安打
橋元 (4年) 今年 1(=1+0)安打 → 通算 1安打
伊藤 (2年) 今年 1(=1+0)安打 → 通算 1安打

ベストナイントリオがそのまま残る外野陣は間違いなく史上最強ですが、一方でスタメンも経験した伊藤や竹山の出番が限られるのも勿体無いところ。場合によっては大胆なコンバートも行って、外野のみならず史上最強の野手陣を形成してほしいですね!

第五十五回記念明治神宮野球大会 決勝戦

51年前のセンバツ決勝の再戦となった、横浜と広島商業による決勝戦。広商は準決勝までに大宗徳永の二本柱がフル回転したことで今大会初登板となる沖村が先発も、横浜は初回小野の2点タイムリーで先制。2回にも阿部が左中間を破る2点タイムリーで追加点を挙げ、主導権を握ります。さらに3回にも四死球で1死満塁とし、試合を決定づける絶好のチャンスでしたが、ここでリリーフの左腕片岡虎の前に三振二飛で無得点。以後も続投して好投の片岡虎とセカンド西村の好守により追加点が奪えず、試合は膠着状態になります。
横浜先発の織田は初回を三者三振と絶好の立ち上がりを見せると、6回までを中本の2安打のみの無失点。このまま難なく最後まで行くかと思われた7回、先頭三田に緩い投ゴロを打たせるも、織田がまさかの高投。盗塁を決められると、名越のフライをレフトの奥村頼が太陽が目に入ったか後逸…。1点入って再び無死2塁となり、内野ゴロ2つでもう1失点。さらには正田の遊ゴロを池田がファンブル、この回3つ目のエラー……。それでも直後の盗塁を駒橋が刺し、8回内野安打で出した小田の盗塁も再び駒橋が刺して、2点差のまま9回を迎えます。
あと1イニングを抑えれば優勝という状況で、横浜は織田が続投も、先頭西村のショートへの打球を池田が合わせ損ねて内野安打で出すと、三田にもライト前で続かれ同点の走者が出塁。名越にバントを決められ、一打同点となった状況で、ついに織田が降板。レフトから登板の奥村頼に託します。1点までならOKという状況で内野陣は通常シフトを敷き、菅に三ゴロを打たせ、1点差に迫られるも2死3塁。打席に入った柳井に監督がアドバイスも、2球で追い込むと、3球勝負の142km/hで空振り三振!横浜が辛くも逃げ切り、松坂以来27年ぶり2回目となる優勝を果たしました。

続いては大学の部、互いに初優勝を賭けた青山学院大創価大による決勝戦創価の先発は田代も、初回1アウトから南野にヒットを許すと、コントロールが定まらず連続四球で満塁。続く中田の大飛球は高く跳ね返ってライトがキャッチも、審判の判定は柵越え。抗議も判定覆らず、グランドスラムとなって青学が4点を先制します。創価もその裏暴投で1点を返すも、3回に青山の左中間3ベースと渡部の犠飛、4回には1死から中西がセカンド新山のファンブルで出塁、続く藤原の二ゴロも新山が弾き、カバーに向かったライト山田も後逸する間に中西が一気に生還。序盤で大量リードを奪います。
青学先発の中西は大量援護を受け、打ってもヒットやエラーで塁に出るもペースを乱すことなく淡々と好投。2回以降0を並べ続け、8回には大城立石の連打で1点を失うも後続を断ち、8回を2失点にまとめて降板。創価もリリーフ陣の頑張りで5回以降は青学打線に出塁を許さず、ついに9回の裏を迎えます。マウンドに立ったのは鈴木、まず先頭の代打林を空振り三振に打ち取るも、宮原がライト前。新山を左飛であと1人まで迫るも、代打鈴木が右中間にタイムリー2ベースを放ち1点を返します。そして打順は1番に還るも、大島を二ゴロに仕留めて試合終了!青学が大会初優勝で史上5校目となる四冠を達成し、一方創価大はついに全国ベスト4の壁を破ったものの、東京新大学連盟としても初の全国制覇はなりませんでした。

試合終了後は優勝インタビュー。感涙に咽んで言葉の出てこない安藤監督とは対照的に、さらなる目標として10連覇をぶち上げた佐々木主将、柵越えしていなかったのではと正直に語る中田、目薬を差してきた中西と、皆がそれぞれの方法で喜びを表していました。とはいえ他大もやすやすと連覇を許しはしないでしょうし、来年の戦いが今から楽しみですね!
 

チーム2025新体制

https://tokyo-bbc.net/
主将が杉浦、主務が奥畑、副将が酒井捷と中山、副務が番匠と山本考。湘南高校出身の主将は大音以来4年ぶり7人目で、4人目の主将であった大久保監督と同一校で監督と主将を占めるのは戦後初。また女性主務もチーム初、中山は中途入部からの副将就任と、初づくしの幹部陣となりました。
そしてスローガンも「逆襲」に決定。野手陣の大半に投手陣も渡辺らが残って迎える勝負どころだけに、連盟結成100周年の記念すべき年に大暴れしてほしいですね!