レギュラーシーズンの最終試合、そして石井弘寿引退試合。始球式を務めたのは石井の息子さんでした。
ヤクルトの先発は赤川、初回いきなり第1球を東出にライト前に運ばれるも後続を断ち無失点。2回にはバーデンに代打・迎を送られるという奇策に動揺したか2四球を与えるも無失点。赤川はこの2イニングで降板し、その後はCSを見据えた継投モードへ。
一方の広島は中4日で前田健の先発。前回の試合で15奪三振も次の登板機会を考え7イニングで降板した(野村監督談)だけあって、初回から快調なピッチング。先頭の青木こそ歩かせたものの、その後は凡退の山を築きます。
両チーム無得点のまま5回を終了した時点で、今季限りで退団するガイエルからのビデオレターの披露。

その直後の6回表に均衡が破れました。5番手のバーネットに対し先頭の東出がこの日2本目、チームとしても2本目のヒットを放つと、2死1・2塁となって松山がレフト前タイムリー!前田健に貴重な援護をもたらします。
そして7回裏。直前の打席で凡退した青木に代わり、ついに石井がマウンドに上がります。
 
1軍登板は実に5年ぶり。松本に対して投じた球は131,135,137キロと尻上がりで三球三振。全盛期には遠く及びませんが、それでもこの日に向けて万全の調整を行い、そして今投げることのできる最高の球を投げた結果なのだと思います。お疲れさまでした!
しかし一方で、前田健のノーヒットピッチングはなおも継続。ついに試合は9回裏に入り、試合終了後のセレモニーよりも、大記録達成なるかの空気が球場を支配していました。先頭のホワイトセルを粘られた末に見逃し三振に打ち取りってあと2人となり、打席には途中から1番に入った藤本。怪我の荒木に代わり昇格したばかりの藤本の打球はレフト線際への2ベース、ノーノーの夢を打ち砕きます。すると上田が内野安打で続き、田中浩四球で1死満塁。
一転して逆転サヨナラのピンチの状況で、畠山の打球はセカンドへのゴロ。畠山の足からして十分併殺コースでしたが、東出のトスがフワッと宙に浮く感じになり、2塁封殺も1塁は畠山の足が勝って併殺崩れとなり藤本が生還、土壇場で同点に追いつきます。2死1・3塁となりバッターは代打・福地。ご存知広島時代に吉見(翔ぶ方)のノーノーをあと1人で阻止した選手ですが、古巣相手に打球はレフト前に抜けサヨナラ!まさに急転直下、ヤクルトがノーノー寸前から劇的なサヨナラ勝ちを収めました。

試合終了後には小川監督の挨拶、そして石井の引退セレモニー。ダイジェスト映像には入団、ロケットボーイズの片割れとしての奮投、岩瀬から放ったホームランという華々しい活躍の一方で、辛いリハビリのシーンも。まだまだ全然老けこむような年ではなく、本来なら今年の優勝に貢献していたはずなのですが…。故障とはあまりに残酷で、残念でなりません。スピーチでは今まで1度もお立ち台に上ることが無かったという衝撃の事実も明かされました。
   
改めて、16年間お疲れさまでした!