第64回全日本大学野球選手権大会 決勝

早稲田と流通経済大による決勝戦。早稲田は昨日六旗で呼びかけた通りに応援席を埋めてきたのに対し、流経大は昨日の口ラッパ応援から一転、流経大柏からブラバン部隊が駆けつけてきており、野球だけでなく応援もがっぷり四つの様相です。
先発は早稲田が小島、流通経済が昨日に引き続き生田目。早稲田は昨日コールド勝ちを収めた勢いそのままに連投の生田目を攻め、初回先頭の重信がサード内野安打で出塁すると、1死1・2塁から丸子のライト前で早速先制。なおも1・3塁も、ここは生田目が踏ん張り1点止まり。
その裏の小島は2アウトまではスムーズだったものの、大崎をセンター前で出すと、続く笹田にはライト線際に落とされ重信がクッションボールの処理にもたつく間に一気に還られ同点、さらに渡辺にライト前に運ばれ逆転を許してしまいます。その後も小島はピリッとせず、3回橋川に11球粘られた末に四球、2死1・2塁となった場面で吉野に交代。直後に渡辺の打球が吉野を襲いますが何とか止め、地面スレスレの危ない送球も丸子が素晴らしいミット捌きでカバー。この回は何とか無失点も、4回に高橋のタイムリーで失点、5回は本間大崎に連打を浴び、送られ1死2・3塁となった場面でついに大竹にスイッチ。既に2点ビハインド、これ以上の追加点はやれない場面でしたが、期待に応え橋川三振、渡辺二飛で大ピンチを凌ぎます。
早稲田打線は3回先頭の重信がレフト前で出塁も、直後に牽制死…。その後2死満塁も道端中飛で無得点に終わると、4〜6回は生田目の前にノーヒット。重苦しい雰囲気が漂い始めた7回表、1死から代打渡辺がライト前で出塁。重信は遊ゴロも懸命に走り併殺は阻止すると、河原センター前、そして茂木がライト前タイムリーで1点差に迫ります。続く丸子との勝負は避けた格好で2死満塁となり打席には石井、初球をファースト正面のゴロで万事休す…と思いきやバウンドがイレギュラーし、笹田捕れずライトに抜ける2点タイムリーとなって逆転!ついに生田目を引きずり下ろすと、代わった小原から今日ここまで当たりの出ていなかった道端が初球を左中間を破る2点タイムリー2ベース!2死からの5得点で試合をひっくり返します。
生田目が降りたことで勝負の趨勢は決したと思いきや、流経大もそのままでは終わりません。その裏大崎が今日4安打目となるライト前を放つと、笹田がレフトに名誉挽回の2ラン!1点差に詰め寄られ最終回を迎えますが、流経大3番手の豊田から茂木が四球で出ると、石井が高々とライトスタンド最前列に入る値千金の2ラン!その裏も大竹が続投、高橋三直・本間右飛・ここまで4-4の大崎も一ゴロに打ち取り試合終了!!壮絶な試合を制し、早稲田が3年ぶり5回目の優勝を飾りました。

終わってみれば茂木丸子石井のクリーンアップが揃って8打点を挙げるなど早稲田打線が実力を遺憾無く発揮しての優勝でしたが、そこまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。1点差で辛勝の専修戦、そして今日の試合。流経大は決して生田目だけのチームだけではなく、打線も小島吉野大竹の全員から点を奪うなど、本当に良く鍛えられていると思った次第です。
MVPと首位打者(.615=8/13)は茂木、最優秀投手は2勝を挙げ21イニング自責点ゼロ!の神大濱口、敢闘賞は生田目、そして特別賞は皇學館濱岡。大会初出場にして福井工大を4安打完封、記念すべき初勝利をもたらしました。
さて大学同士が戦う春もこれにて終わり、続いては大学代表として1つにまとまってのユニバーシアード。選出された選手の春の状況に不安が無いわけでもありませんが、ともかくいい結果を期待したいですね!