今年もやって来ました熱い夏。参加チーム数は186となり最激戦区の称号は愛知に譲ったものの、それでも50分にも及ぶ入場行進は他の追随を許しません。今回の選手宣誓は柏陽の長谷川主将、「1つのアウトを確実に取り、1つでも先の塁を狙う勇気を持つ」の言葉をまず実践することになる初戦の相手は奇しくも始球式を務める稲荷義郎さんの出身校である浅野。戦後初の神奈川代表のメンバーで御年85歳、さすがにプレートから若干前の位置からながらノーバン投球!後輩の溪の励みにもなる見事な始球式でした。
  
開幕戦のカードは百合丘vs相模向陽館。今年の県相の前に県立勢として春関に出場し日大三を撃破した(なお夏は)のが記憶に新しい百合丘の先発は山口、創部5年目にして夏初勝利を目指す相模向陽館の先発は山本。初回は向陽館の内野が交錯しかけるシーンもありましたが両者三凡と穏やかな立ち上がりかと思いきや、2回表の百合丘は2死2塁から丸山がセンター前タイムリー。さらに遊ゴロ悪送球に新井のライト線タイムリーで、この回3点を先制します。さらに4回は石橋のタイムリー、5回にも丸山が左中間を破る2点タイムリーで、前半で大きくリードを奪う展開に。
追う向陽館は2回にシャー・ハタダのヒットで2死1・2塁、4回に2四球と野選で2死満塁、5回にも2死2塁とチャンスを作るもいずれも後続倒れ無得点。6点ビハインドで6回の守りに入り、1死から石橋を四球で出したところでついにベンチが動くと、先発の山本がファースト、ファーストのシャーがセンター、センターの石渡がキャッチャー、キャッチャーの泉がセカンド、セカンドの畠山がリリーフという大入れ替えを敢行してきました。この起用が当たり畠山が後続を打ち取ると、その裏2死からニサル・ハタダの連打で1・2塁と再びのチャンス!しかし山本が投ゴロに倒れ、またも無得点。
7回も畠山が続投、内野安打と四球で1死1・2塁のピンチも山口をショート正面のゴロ。6-4-3と渡ってピンチ脱出…かと思いきやセカンドが悪送球、2塁走者が還りついに7点差…。裏の攻撃に賭けるも、先頭四球から畠山が痛恨の4-6-3、最後は大坪が三振に倒れ、7回コールドで百合丘が開幕戦を制しました。

コールドという結果にこそなったものの、ヒット数は百合丘7に対し向陽館5とほぼ互角。度々の好機に1本でも出ていれば…と思わせる展開でした。しかしこの試合で特に気を吐いたシャー・ニサル・ハタダはいずれも2年生。来年のチームに期待が持てるとともに、将来のWBC代表候補としても夢が膨らみますね!