球場に入ってまず圧倒されたのはグラウンドの大きさ。両翼は99.1m、そしてなんと中堅は126m!プロでもバックスクリーンに打ち込むのは至難の業で、さすが東海地区の社会人野球の聖地だけのことはあります。
  
選手がグラウンドに現れてもなお雨は降り続いており、土の内野は不良馬場状態のまま試合開始。まずは第3代表決定戦のトヨタ自動車vs新日鐵住金東海REX、先発は佐竹と畠山。トヨタは初回1死から北村がヒット、続く小島のバントをサードが悪送球で1死2・3塁も、畠山が踏ん張り無得点。一方のREXは2回、加藤・中嶋のヒットで1死1・2塁も佐竹の前に連続三振で無得点。
0-0のまま迎えた4回のトヨタの攻撃は先頭の多木が四球、西潟送って1死2塁。河合はいい当たりも右飛に倒れますが、続く細山田がセンター前に運び先制点を挙げます。さらに5回、1死から樺澤のイレギュラー性のゴロをサードよく反応したものの悪送球で出塁すると、多木のバントをまたもサードが悪送球(記録はヒット+エラー)。1死1・3塁となり西潟河合が連続タイムリー、さらに捕手の3塁悪送球も絡み走者が進むと、止めは細山田の犠牲フライ。REXの3エラーに付け込みリードを広げます。
4点もの超大量援護を得た佐竹は細山田との早稲田バッテリーでREX打線を翻弄、さらにグラウンド状態をものともせず好フィールディングを連発。福田のソロによる1失点に抑えて完投勝利、トヨタ自動車が東海第3代表となりました。



トヨタ側は祝福ムードも写真撮影後すぐに紙テープが片付けられ、続いては第4代表決定戦のヤマハvs西濃運輸ヤマハの先発は池田駿に対し、西濃は佐伯、さらにキャッチャーは松本!立教時代は鈴木のサブ的なポジションでしたが、早速扇の要を任されました。
試合はJABAタイムが発動し5分前倒しで開始も、いきなり長谷川雄がレフトに先頭打者ホームラン!さらに鈴木光萩原の連打で無死1・3塁とすると、佐藤の4-6-3の間にもう1点。ヤマハが2点を先制します。佐伯は初回まさかの乱調も、2回以降は立ち直り無失点。しかし池田駿も堅い二遊間の守りに助けられ、5回まで西濃打線をノーヒットに抑え込みます。
後半に入り6回ヤマハの攻撃、1死から鈴木光が初回以来の内野安打で出塁すると、萩原の打席でエンドランを決め、柳が1・2塁間を破るタイムリーで追加点。そして7回、川邉の痛烈なピッチャー返しが佐伯の足を直撃、佐伯は這うようにボールを掴み1塁に送球してアウトも、もんどり打って起き上がれず…。しかしアイシングを受けて立ち上がるとそのまま続投、さすが橋戸賞投手の気迫で最後まで投げきりました。
この熱投に西濃打線も奮起。6回生島がチーム初ヒットを放つと、7回は谷ヒット、阪本2ベースで1死2・3塁とし、藤中の遊ゴロの間に1点を返します。そして最終回、ヤマハの2番手鈴木博に対し、先頭谷センター前、阪本四球で1・2塁。藤中は150km/hを空振り三振で2アウトまで追い込まれるも、松本がライト前に弾き返しタイムリー!1点差に迫りなお2死1・3塁で、生島もライトに痛烈な打球も、鈴木光が前進しダイビングキャッチ!!後逸すれば逆転サヨナラという一か八かの賭けは見事成功、ヤマハが東海第4代表の座を掴みました。



ドーム行きを賭けた互いの意地のぶつかり合いに感動し打ち震えたまま球場を後に。お目当ての東邦ガスは早期に敗退してしまったため完全に当初の目論見通りとはいきませんでしたが、十二分に満足して帰路に就きました。