第2回「2002年秋季リーグ戦 東大-立大(後編)」

前編はこちら
1勝1敗のタイで迎えた第3戦、先発は第1戦と同じく東大・浅岡、立教・多田野。試合は第1戦と同様、投手戦の様相を呈します。
そして、均衡を破ったのはまたしても東大でした。7回表、一死から太田が三塁打。二死となった後に、四番・入山聡がショートへの小飛球を放ち、これが内野安打となって東大が先制。勝ち点奪取に近づいたかに見えました。
しかし立教、8回裏に多幡雄一のタイムリーで同点に追いつきます。東大は先攻であるため、もし表に勝ち越すことができなければ、サヨナラ負けの恐怖と戦わなければなりません。9回の表、はや二者が倒れ、打席には三番・河原一有。浅岡は守りにつく準備をしながら、奇跡が起こってくれと念じていたといいます。


そして、カウント2-2から多田野が投じたスライダーを河原が捉えます。打球は高く上がり…勝ち越しホームラン!


残すは9回裏のみ。しかし立教はエラーとヒットで一死一・二塁とし、両走者に代走を送ります。あわよくば盗塁を狙い、一打逆転サヨナラの状況を作るためでした。第1戦同様、勝利を目前にして絶体絶命のピンチに立つことになります。
しかしここで捕手河原、飛び出した二塁走者を牽制で刺します。これがこの3連戦で一番のファインプレーでした。二死一塁と状況は変わり、残すは後一人のみ。浅岡が渾身の力を込めて投げ込んだストレート、打者が空振り三振…ゲームセット!

2002/9/23 東大 - 立大 3回戦
T 000 000 101 2
R 000 000 010 1
T ○浅岡
R ●多田野

試合結果の詳細はこちら。第1戦に続く浅岡の連続完投勝利が、東大に4年ぶりの勝ち点をもたらしました。立教はその後立ち直ったものの、東大に勝ち点を落としたのが響き、結局3位に終わります。
一方東大はこの2試合以外には勝つことが出来ず、最下位を脱出することはできませんでしたが、その戦いぶりには最大限の賛辞が送られました。とりわけ、野球は大学までと決めていた浅岡にとって、この2勝はかけがえの無い思い出になったことでしょう。そして、入山はこの最後のシーズンにベストナインを受賞しました。


今回も最後まで見てくださった方がいればありがたいです。反響があれば次の企画も考えるでしょうし、無くても日記のネタに困れば勝手に続けるかもしれません。