ここまで無失点、磐石の試合運びを見せる明治と、3試合連続で1点差ゲームをモノにして勝ち上がってきた愛知学院の対決、先発は野村と永岡。
野村は昨日の7イニングに続いての連投ということもあり、昨日と打って変わって打たせて取るピッチング。初回先頭の濱内に内野安打を許すも次打者を投ゴロゲッツー、5回には先頭打者にレフト前ヒットを浴びるも牽制で仕留め、各イニング3人ずつで片付けていきます。一方の永岡に対する明治打線、阿部寿が2本の2ベースを放つなどチャンスは作るもののあと1本が出ず、昨日と同じようにもどかしい展開のまま試合は後半に。
しかし愛知学院が永岡を下ろし、継投策を始めたことで試合の流れが変わりました。2番手の天池に対し、6回表先頭の島内がサードの横を抜けるヒット。送りゴロ2つで2死3塁となり、阿部の当たりはサード横へ。サードが飛びつくものの弾いてしまい、ショートも咄嗟に反応できず打球はレフト前に抜けるタイムリーとなり、ついに明治が先制!
6回にはライト横へのヒットを打たれるも中嶋の好返球で2塁で刺し、この回も3人で片付けた野村でしたが、7回に最大のピンチが訪れます。先頭の濱内に2ベースを浴び、送りバントで1死3塁。ここで田中はスクイズ、濱内がタッチをかいくぐり生還、同点!…かと思いきや明治側から抗議があり、得点は認められず走者は3塁に戻され再開。主審からの説明があり、2度打ちによるファールとのことでした。仕切り直し後、田中は再度スクイズを試みるも外され濱内は本塁憤死。田中も三振に倒れ、この回も3人で攻撃が終了します。
すると直後の8回表、上本が右中間を破る3ベース。1死後に中嶋がこちらは完璧なスクイズを決め、貴重な追加点を挙げます。援護を受けた野村はなおも続投、球速も上げて8回は2者連続三振含む三者凡退。9回の代打攻勢も上本の美技にも助けられて3人で切って取り、何と残塁0の27人斬り。3試合すべて無失点という大会史上初の快挙のおまけ付きで、明治が15年ぶりの優勝を果たしました。

野村の27人斬りは 今春のリーグ戦 以来で、球数はその時よりさらに3球少ない91球。その時は香取も好投してスコアは同じ2-0、1時間44分の超省エネ試合でしたが、今回も愛知学院の投手陣が良く投げ好ゲームになりました。接戦をことごとく制し、東都王者の亜大をも下した力はやはり本物だったと思います。
試合終了後のインタビューは善波監督、竹田主将、そして野村。野村はやはり4年前の苦い思い出がまだ頭の中にあったようでしたが、今回の日本一はそれを払拭したことでしょう。舞台をプロに移し、さらなる活躍に期待したいところです。
そして今日出場した明治のメンバーは上本・中嶋以外みな4年生であり、今日の試合を以てユニフォームを脱ぐことになります。メンバーがガラリと代わる来年の明治も楽しみですね!