第84回都市対抗野球大会決勝戦

吉田・片山を中心に4試合でわずか1失点という鉄壁の投手陣を誇るJR東日本に対し、先行逃げ切りの展開は準決勝の東芝戦のみ、逆転に次ぐ逆転劇で勝ち上がってきたJX-ENEOS。昨年の夏・秋に続いて三度実現したこの対決、先発も昨夏と同じく吉田と三上。
昨日の準決勝では温存、中1日での登板となった吉田は初回三者三振と最高の立ち上がり。今大会17・2/3イニングを投げ失点ゼロ、被安打もわずか4という吉田を打ち崩すのは至難と思わされましたが、2回JX-ENEOSは先頭の山田がライト前で出塁すると、池辺の送りゴロで1死2塁。ここで宮澤の当たりは吉田を強襲する内野安打となり、吉田は治療を受け一度はマウンドに戻ってきたものの、続投は無理なようで降板し、前日完封の片山がまさかのスクランブル登板。
1死1・3塁で試合は再開し打席には山崎。叩きつけたゴロが片山のグラブを弾き、慌ててリカバリーした片山との一塁ベースへの競走になるも山崎のヘッスラが勝り先制タイムリー内野安打!4回にも池辺のフェンス直撃タイムリー2ベースで加点します。
一方の三上は山崎の好守にも助けられ、3回までパーフェクト、5回に初安打を許すも6回まで無失点ピッチング。苦い思いをした昨年の決勝の記憶を振り払うような好投を続けていましたが、終盤に入った7回、先頭の松本に被弾し1点差に。なおも2四球で1死1・2塁のピンチを招き、先輩の石川を初球ポップフライに打ち取って2死となったところで大久保監督が動き、沼尾に交代。JR東日本も大ケガから復帰の齋藤主将を代打に送り、一挙に試合が盛り上がります。沼尾はポンポンとストライクを取り追いこむも、外さず甘く入った3球目を捕らえられレフト線へ。歓声と悲鳴が入り混じる中、打球は僅かに切れ命拾いも、死球を与えてしまい満塁。一打逆転のクライマックスに、西野の当たりはボテボテのセカンドへのゴロ、山崎が前進し素早く送球してアウト!絶体絶命のピンチを乗り切りました。8回からは大城が登板、2死から連続四死球で1・2塁も後続打ち取り、1点リードのまま9回へ。
連投の片山はいつ降りるのかと思いきや、何とそのまま9回まで続投。気迫溢れる投球の前に追加点が奪えないでいましたが、1死から山田がレフト線への2ベース、池辺センター前で1・3塁。そして宮澤がセカンドの脇を抜けるセンター前タイムリーで、ついに待望のダメ押し点!
最終回ももちろん大城が続投。代打山口を三ゴロ、石川を右飛、そして安房の星こと代打岩澤を二ゴロに打ち取り試合終了!JX-ENEOSが前年に続いて11回目の優勝を果たしました。

大会連覇は前身の日本石油が達成して以来51年ぶり。秋夏連覇は史上初のことで、当然ながら夏秋夏連覇も史上初。壮行試合では東芝に大敗、本戦も苦しい場面続きでしたが、プレッシャーを跳ね除け大偉業を成し遂げました。橋戸賞は2年連続で大城、久慈賞は片山、小野賞日本製紙石巻チームとJX-ENEOS大久保監督、特別賞はJX-ENEOSチーム、首位打者は.500で東芝の石川、打撃賞はJR東日本の松本、若獅子賞JX-ENEOSの石川および東芝の萩野・石川。
この結果を受け、(区割りが見直されなければ)来年の西関東の出場枠は3つ。とは言え、金港クラブが三菱重工横浜をあと1アウト、1ストライクまで追い詰めたことを考えると、この3枠が企業3チームのものとは決して言い切れません。金港クラブ、相模原クラブ、さらには神奈川山梨の諸クラブの下克上にも期待したいですね!