第97回全国高校野球選手権西東京大会 決勝戦

プロ併用日のため試合開始は11時。普段のリーグ戦のつもりでGoプリを見終わってから神宮に向かったところ、2階席はおろか日陰になりそうな場所は完全に埋まっていました…。仕方無く横浜戦でお馴染みのレフト側三角地帯最上段に陣取ることに。
先発は早実が松本、菅生が勝俣の両エース。準決勝で日大三を完封した松本でしたがこの日は初回落合江藤に連打を浴び1死1・3塁のピンチに、迎えるはエースながら4番の勝俣。いきなりの試練でしたが、4-6-3に打ち取り無失点で切り抜けます。
先制点が欲しい早実でしたが、3回2死2塁で清宮に打席が回るも謎の三盗を仕掛け憤死…。チャンスを逸したその裏、菅生は先頭の齋藤がライト前で出ると、杉本のバントを松本が2塁に送球も高く浮きオールセーフ。小川貴が手堅く送って1死2・3塁となり、落合のライト前タイムリーで先制します。そして均衡が破れた隙を見逃さず、続く江藤がライトスタンドに3ラン!この回一挙4点を挙げます。
松本は4回で降板し、吉野→上條と細かく継投も、菅生は6回2死1・2塁の場面で伊藤が三遊間を破り、前進守備のレフト田口がバックホームも5バウンドで間に合わず。5点差に広がり、一方勝俣は度々走者を出すも要所を締め、7回まで無失点。菅生の春夏連続甲子園もすぐそこかと思われました。
そして残すは2イニングとなった8回表の早実の攻撃。先頭の山田がショート内野安打、玉川レフト前で無死1・2塁。清宮は二ゴロも併殺は逃れ1死1・3塁。加藤は勝負を半ば避けた形で歩かされ満塁となると、金子のセンター前タイムリーで早実がついに得点を挙げます。続く富田もレフト前タイムリー、今井は遊ゴロ併殺崩れ。2点差に迫るも2アウト、勝俣からすればここで切りたかったところでしたが、続く代打佐藤がショート強襲タイムリーで1点差。渡辺を歩かせ再び満塁、そして打順が山田に帰ると、ストレートの押し出し四球でついに同点!事ここに至りついに勝俣は降板、ライトに回り羽生がリリーフも、球場の異様な雰囲気に圧されてか、玉川にストレートの押し出し四球で逆転!さらに清宮ライト前タイムリー、加藤ストレートの押し出し四球で、1死も取れず降板…。高校野球の恐ろしさが凝縮された魔のイニングで、早実が8点を挙げ逆に3点のリードを奪います。
逆転はしたもののこの攻撃で上條に代打を出しており、4番手のマウンドには服部。まさに予想外の展開での登板だったでしょうが、しかし服部は1年生とは思えぬ落ち着きぶりを見せ、逆に焦った菅生打線に外を振らせ8回は三者凡退。そして9回も続投、先頭の杉本に2ベースを浴び連続内野ゴロの間に1点を失うも、最後は勝俣を中飛に打ち取り試合終了!早実が5年ぶりの優勝を果たしました。

思えば初戦の東大和南戦から打線は活発も投手陣が振るわず4・5・8・5失点。特に5回戦の日野戦は打ち合いの末サヨナラの辛勝、このままでは準決勝の日大三戦がどうなってしまうかと思いきや松本が完封、決勝もワンチャンスを活かしての優勝劇でした。甲子園の舞台は神宮のようにはいかないでしょうが、都大会と同様一戦一戦粘り強く戦い、快進撃を見せてほしい次第です。