木村八段が王手をかけて迎えた王位戦第6局@陣屋。今まではフレックスで対応していたところ今回は午後休で臨んだものの、到着時には既に受付番号は3桁台。一番乗りの方は朝9時頃に着いていたということで、木村先生初戴冠を待ち望むファンの熱意を改めて実感しました。
程なく14時になり、佐藤紳哉七段が登場。まずはカツラを脱ぎ捨て観客のハートをガッチリキャッチした後、初手から解説を開始。この時点では勝負はこれからという印象でしたが、解説が現局面に追いついた直後、羽生王位の△5七桂成、桂の成り捨てが炸裂しました。

控え室も予想していなかったこの一手、角金のどちらで取っても致命傷を負うことがすぐに判明。あまりの激痛に、このまま木村八段が投了してしまうのではないかとの懸念も起こったものの、長考の末に▲9五歩と反撃。諦めずに食い下がり、陣屋特製豚のさくら味噌漬重がいただける時間まで粘って下さったものの、羽生王位が解説の読みを外しながら的確に対応、木村玉を下段に沈めた後に自玉を6一に逃がすという容赦の無い指し回しで、ついに木村八段も力尽き投了。3勝3敗のフルセットとなり、王位の行方は2週間後、再びこの陣屋に持ち越されることとなりました。
 

終局後は両対局者の登場、簡単に感想戦を行った後、お待ちかねの抽選会。とは言えあまりの人の多さに諦めていたところ、途中退出した方が意外と多かったこともあり、後半に自分の番号がまさかのコール!有り難くも羽生王位のサイン本をいただくことができ、最初から最後まで大満足の解説会でした。