まるでこの日を待っていたかのように本気を出してきた暑さの下、今年も全国一熱い神奈川大会の開幕を迎えました。1時間弱に及ぶ入場行進、合わせて10分間に及ぶ主催・来賓の挨拶を経て、選手宣誓は東海大相模の平山主将。よく通った声で「1人1人が輝く夏に」のフレーズが印象的でした。
   
開幕戦のカードは県川崎vs横須賀総合。試合に先立って行われる始球式はご存知レジェンド志村亮さん。慶應のストッキングに刻まれる2本目の白線の立役者であり、また東大の199勝目の相手でもあります。TOINのユニフォームに身を包み登場、衰えを見せないストレートでスタンドは大きなどよめきに包まれました。球を受けた横須賀総合の平林捕手とガッチリ握手、きっと平林には一生の記念になることでしょう。
  
県川崎の先発は下級生の頃からマウンドを経験してきた宮永も、なかなかストライクが決まらず初回から苦しい展開。2四球で1死1・2塁とすると、阿久津・塚本の連続タイムリー、さらに平林の犠飛で4点を失ってしまいます。なおも2死満塁となったところで、セカンドの山崎と入れ替わり降板。山崎は後続を断ったものの、2回に塚本の2点タイムリーと押し出し死球で3点を奪われ、なおも1死満塁。5回コールドが頭をよぎったところ、見事4-6-3でピンチ脱出!3回も走者を出すも無失点、4回はショート岸井がゴロを3連続で華麗に捌き三者凡退。序盤の慌てぶりも消えてすっかり落ち着きを取り戻します。
すると横須賀総合先発の田國の前に4回まで1安打に抑えられていた打線も5回ついに奮起。先頭の平良がセンター前、関戸がライトオーバーの2ベースで2・3塁とすると、宮永の遊ゴロの間にまず1点。続く春日のセカンド内野安打でもう1点、野村もセンター前で続くと、金井が右中間を深々と破る2点タイムリー!この回一挙4得点で追い上げます。
援護を受けた後の山崎の投球は一段と冴え、バックも岸井に加えサード沼尾・セカンドに退いていた宮永の好守で盛り立て、以後無失点。すると打線は8回再び点火、先頭の金井がライト前…も1塁をオーバーランしてタッチアウト。しかし山崎・沼尾の連打、岸井が四球を選び1死満塁。この試合最大の盛り上がりを迎えましたが、平良が痛恨の4-6-3…。9回は先頭の関戸が内野安打で出塁も、後が続かずゲームセット。横須賀総合が苦しみながらも11年連続の初戦突破を果たし、向上と 一昨年の開幕戦 以来の戦いに、場所も同じハマスタで臨むこととなりました。

敗れはしましたが県川崎の戦いぶりは見事の一言。一昨年・昨年 ともに0-21の5回コールドで敗れており、今年も部員10人という中で開幕戦の重圧に耐えられるか心配していたのですが、5回の壁を越えるどころか9回までやりきり、勝機も見える内容でした。それだけに序盤の失点と8回の攻撃が悔やまれます。この大会を最後に8人が引退し、部員集めからの再スタートになりますが、来年また元気な姿を見せてほしいですね!