先発は早稲田が大野健、慶應が福谷。昨日先勝の早稲田はスタメンの1〜7番まで昨日と同じ一方で、慶應は大幅に組み替えを行い、また西野をスタメンマスクに抜擢してきました。
先手を取ったのは早稲田。初回先頭の中村がヒットで出塁、佐々木がバント失敗も土生の一ゴロを伊場が掴み損ね、慌てて投げるも逸れて1死1・3塁。続く杉山は空高く上がった当たり、打った瞬間は外野への浅いフライ…かと思いきや、風に戻され外野手の前に落ちるタイムリー。1点を先制します。
いきなりの援護を受けましたが、しかし大野健がピリッとしません。初回の2四球と伊藤ヒットによる2死満塁のピンチは抑えたものの、2回先頭の西野に四球、1死後齊藤雄の当たりはショート正面へのゴロ、しかし併殺を焦った佐野が弾いてオールセーフ。またも2死満塁となって山崎錬に押し出し死球、さらに暴投で2点を失い逆転を許します。結局大野健はこの回限り、56球を投げ5四死球で降板。登板内容はKOも同然でしたが、しかしエラーが絡んだ失点だったため自責点はゼロで、結果的には最優秀防御率の座をより確固たるものにしました。
序盤2回で既に1時間が経過する間延びした試合でしたが、大野健の後を受けた丸山が無四球の好投を見せ、試合を引き締めました。一方の福谷も毎回安打は許すものの、西野が2度盗塁を刺す活躍を見せ、1点差のまま試合は6回へ。
6回表の早稲田の攻撃、先頭の土生がセンター前で出塁し、打席には好調の杉山も手堅く送りバント。そして地引が鋭い当たりのレフトオーバーのタイムリー2ベース!千葉県コンビの働きで同点に追いつき、さらに地引が三盗を決めチャンス拡大も、福谷が後続を断ち同点止まり。福谷はその裏に代打を出され、この回限りでマウンドを降ります。
それまで好救援を見せてきた丸山でしたが、7回についに捕まりました。1死から宮本にあわやホームランの2ベース、続く金田がセンター前で1・3塁。クリーンアップを迎える絶体絶命の場面で、ここで有原投入。有原は期待に応え、山崎錬を一邪飛、伊藤死球も伊場二ゴロでピンチを脱出。
ピンチの後にチャンスありとの言葉の通り、その直後の8回表にチャンスが訪れます。前の回から登板の山形を攻め、2四球に暴投も絡み1死1・3塁。ここで3番手は竹内大も、渡邊侑に対しストライクが入らず四球で満塁、そして市丸の当たりはライトへの若干浅めのフライ。3塁ランナーの土生が果敢にタッチアップ、伊藤返球も僅かに逸れてセーフ!ついに早稲田が勝ち越します。さらに9回、先頭の有原が内野安打で出ると、中村に代えて代打・海藤。最後にやってきた初打席で、見事ライト前!この海藤の働きに応え、1死満塁から杉山がセンターへ深い犠飛を放ち、貴重な追加点を挙げます。
2点差となり最後の慶應の攻撃、鈴木裕と金田が意地のヒットを放ち2死1・3塁、そして打席には伊藤。役者が揃い、一発が出れば逆転サヨナラという絶好の場面でしたが、しかし高く上がった打球は左邪飛となりゲームセット…。早稲田が連勝で勝ち点奪取、春の5位から一気に2位に躍進し、秋のリーグ戦が幕を閉じました。

首位打者は.424(14/33)で岡崎、春の那賀に続いて連続で立教勢の獲得。川辺と同率の状況で最後の試合を戦い、川辺が3打数1安打に対し岡崎は5打数2安打となって、川辺を2厘差で上回りました。最優秀防御率は1.53で大野健。与四死球はリーグワーストの23(続いて高梨21、鈴木18)も、他校の投手が炎上する中で不思議と打たれずにタイトルを手に。
そして優勝した明治からは野村・川辺・中嶋・島内がいずれも満票(しかし14票は少ないような…)でベストナイン。今まで野村が1度も取れなかったのはまさに意外中の意外ですが、最後のシーズンで文句無しの受賞となりました。続く神宮大会でも2年前の借りを返し、そして六大学の代表として最高の結果を残してくれることを確信しています。