51年前のセンバツ決勝の再戦となった、横浜と広島商業による決勝戦。広商は準決勝までに大宗徳永の二本柱がフル回転したことで今大会初登板となる沖村が先発も、横浜は初回小野の2点タイムリーで先制。2回にも阿部が左中間を破る2点タイムリーで追加点を挙げ、主導権を握ります。さらに3回にも四死球で1死満塁とし、試合を決定づける絶好のチャンスでしたが、ここでリリーフの左腕片岡虎の前に三振二飛で無得点。以後も続投して好投の片岡虎とセカンド西村の好守により追加点が奪えず、試合は膠着状態になります。
横浜先発の織田は初回を三者三振と絶好の立ち上がりを見せると、6回までを中本の2安打のみの無失点。このまま難なく最後まで行くかと思われた7回、先頭三田に緩い投ゴロを打たせるも、織田がまさかの高投。盗塁を決められると、名越のフライをレフトの奥村頼が太陽が目に入ったか後逸…。1点入って再び無死2塁となり、内野ゴロ2つでもう1失点。さらには正田の遊ゴロを池田がファンブル、この回3つ目のエラー……。それでも直後の盗塁を駒橋が刺し、8回内野安打で出した小田の盗塁も再び駒橋が刺して、2点差のまま9回を迎えます。
あと1イニングを抑えれば優勝という状況で、横浜は織田が続投も、先頭西村のショートへの打球を池田が合わせ損ねて内野安打で出すと、三田にもライト前で続かれ同点の走者が出塁。名越にバントを決められ、一打同点となった状況で、ついに織田が降板。レフトから登板の奥村頼に託します。1点までならOKという状況で内野陣は通常シフトを敷き、菅に三ゴロを打たせ、1点差に迫られるも2死3塁。打席に入った柳井に監督がアドバイスも、2球で追い込むと、3球勝負の142km/hで空振り三振!横浜が辛くも逃げ切り、松坂以来27年ぶり2回目となる優勝を果たしました。
続いては大学の部、互いに初優勝を賭けた青山学院大と創価大による決勝戦。創価の先発は田代も、初回1アウトから南野にヒットを許すと、コントロールが定まらず連続四球で満塁。続く中田の大飛球は高く跳ね返ってライトがキャッチも、審判の判定は柵越え。抗議も判定覆らず、グランドスラムとなって青学が4点を先制します。創価もその裏暴投で1点を返すも、3回に青山の左中間3ベースと渡部の犠飛、4回には1死から中西がセカンド新山のファンブルで出塁、続く藤原の二ゴロも新山が弾き、カバーに向かったライト山田も後逸する間に中西が一気に生還。序盤で大量リードを奪います。
青学先発の中西は大量援護を受け、打ってもヒットやエラーで塁に出るもペースを乱すことなく淡々と好投。2回以降0を並べ続け、8回には大城立石の連打で1点を失うも後続を断ち、8回を2失点にまとめて降板。創価もリリーフ陣の頑張りで5回以降は青学打線に出塁を許さず、ついに9回の裏を迎えます。マウンドに立ったのは鈴木、まず先頭の代打林を空振り三振に打ち取るも、宮原がライト前。新山を左飛であと1人まで迫るも、代打鈴木が右中間にタイムリー2ベースを放ち1点を返します。そして打順は1番に還るも、大島を二ゴロに仕留めて試合終了!青学が大会初優勝で史上5校目となる四冠を達成し、一方創価大はついに全国ベスト4の壁を破ったものの、東京新大学連盟としても初の全国制覇はなりませんでした。
試合終了後は優勝インタビュー。感涙に咽んで言葉の出てこない安藤監督とは対照的に、さらなる目標として10連覇をぶち上げた佐々木主将、柵越えしていなかったのではと正直に語る中田、目薬を差してきた中西と、皆がそれぞれの方法で喜びを表していました。とはいえ他大もやすやすと連覇を許しはしないでしょうし、来年の戦いが今から楽しみですね!