第105回全国高校野球選手権記念神奈川大会 決勝戦

ともに準決勝をコールドで勝ち上がった慶應義塾と横浜による決勝戦。予想通り小宅と杉山の先発で始まった試合は初回表の慶應が1死2塁、裏の横浜が1死1・3塁のチャンスもともに逃し無得点。2回は双方三者凡退も、3回表に慶應は先頭がサードの悪送球で出ると、小宅が送り、丸田が左中間を破るタイムリー3ベース。さらに八木もきっちり犠飛を打ち上げ2点を先制。4回には2死1・3塁から重盗を企図も、杉山は冷静にプレートを外して1塁に偽投後ホームに投げてアウト、追加点は阻止されます。
4回まで小宅の前に無得点の横浜打線でしたが、5回に先頭萩が左中間に特大のホームランを放ち反撃開始。直後の守りでベースカバーの遅れからピンチを招き、渡辺憩の犠飛で再び2点差とされますが、その裏四死球かで1死1・3塁とし、途中出場の小泉のタイムリーと阿部の遊ゴロで同点。2死3塁となって慶應は先ほどホームランの萩を歩かせ、杉山との勝負を選択も、杉山は流石の左中間タイムリー!この試合初めて横浜がリードを奪うと、7回には峯がライトに特大のホームラン!2点差に広げ、小宅をマウンドから引きずり下ろします。
追う展開となった慶應は8回、先頭の延末が四球で出塁、1アウトから代打清原で勝負を賭けるも空振り三振で無得点。その裏の横浜の攻撃では球審の江﨑さんが体調不良で退き、1塁塁審の清水さんが代わりに球審に移動。前の回には緒方が手当てを受けて復帰するなど、照り付ける太陽がじわじわとスタジアム全員の体力を奪っていきます。
そして横浜2点リードのまま9回の慶應の攻撃へ。準決勝で温存され中4日で登板の杉山はこの回も登板も、先頭の代打安達がレフト前で出塁。代走村上が送られるも、牽制で帰塁の際に肩を痛めたか交代…。代走の代走足立が送られる総力戦となり、続く丸田はセカンド正面へのゴロ。滑らかに4-6-3と渡るも1塁はセーフ…と思いきや2塁塁審のジャッジはベースを触れていないとのことで、オールセーフで無死1・2塁。ベンチから抗議も判定覆らず再開、八木送って1死2・3塁となり打席には渡邉千。ここまで3四球と避け続けていましたがついに勝負を選び、フルカウントとなって迎えた6球目を捕えた打球は高く上がりレフトスタンドに飛び込む逆転3ラン!!
土壇場でひっくり返した慶應はその裏3番手の松井が登板。井上を左飛、峯を中飛に打ち取り2アウトも、緒方との勝負は急がず四球、そして代打山﨑を遊飛に打ち取り試合終了!慶應義塾が激闘を制し、5年ぶり19回目、夏の「神奈川大会」としては実に61年ぶりとなる優勝を果たしました。

試合後のインタビューでは敢えて「日本一」を目指すとの力強い宣言。実際2008年を超えるだけのポテンシャルはあるチームだけに、神奈川の代表として堂々とした戦いを見せてほしいですね!