第94回都市対抗野球大会 決勝戦

実に29年ぶりの東海代表同士の決勝戦。試合前にはミクロネシア連邦への野球用具贈呈式と、宮本慎也氏による始球式。フォントが格好良い背番号1のユニを着て、八木から見事な空振りを奪いました。
 

先発はトヨタ自動車が予想通り嘉陽、ヤマハ東邦ガスから補強の辻本。トヨタは初回1アウトから徳本がヒットで出ると、北村が初球をレフトに2ラン!鮮やかな先制劇を見せますが、ヤマハも2回、網谷貞光の連打と四球で1死満塁の大チャンス。しかしJR東海から補強の吉田が4-6-3に倒れ無得点に終わると、その直後トヨタは徳本北村の連打から逢澤の犠飛で3点目。辻本をこの回で降板に追い込みます。
4回は双方無得点に終わり、5回表のトヨタヤマハ2番手の清水から和田ヒットと徳本のバントヒットで1死1・3塁。ここで北村は遊ゴロも和田のスタートが完璧で、前進守備を敷いていた永濱も1塁に投げるしかなく4点目。しかしヤマハもその裏、先頭の大本がライトにホームラン!ようやく得点を挙げ、投手陣も九谷→近藤と小刻みな継投でトヨタ打線の勢いを止めるも、打線が火曜の嘉陽を崩せず、7回はわずか5球で3アウト。嘉陽は7回を僅か76球、失点はソロの1点だけというエースとして満点の働きを見せつけ、この回でマウンドを降ります。
嘉陽が降りた後の2番手は渕上。ようやく今大会初登板を果たすも、先頭の永濱がライト前。ヤマハの反撃ムードが高まるも、続く吉田がまたも痛恨の3-3-6…。無得点に終わり、試合は9回へ。まだベンチには佐竹や増居が控える状況で渕上が続投も、先頭の秋利がレフトにホームラン!2点差に迫り、続く前野に対しても3ボール。エンドレスが一層圧力を増すも、渕上は落ち着いてストライクを入れて左飛に打ち取ると、矢幡を遊ゴロ、そして網谷を三ゴロに打ち取り試合終了!トヨタ自動車が7年ぶり2回目の優勝を果たしました。

試合後は北村・嘉陽・藤原監督のインタビュー。開幕戦のENEOS大久保監督と同様、自チームのことだけでなく両チームのために来てくださった方々への感謝、そして社会人野球全体へのアピールで締める、非の打ちどころの無いコメントでした。
  

橋戸賞は嘉陽、久慈賞は網谷、小野賞は12年ぶりの出場で大会初勝利含む2勝を挙げベスト8に進出した東海理化チーム、首位打者は.545でJR東日本渡辺、打撃賞はトヨタ北村、そして若獅子賞東海理化の門叶・福本と三菱自動車岡崎の中村奎。3人全員が東海勢と、ベスト8中5チームが東海勢を占めた躍進を裏付ける結果になりました。
さて来年は第95回の記念大会。Hondaの電撃参戦で激しさを増す東京地区など、今から予選が待ちきれませんね!