そして本日のメインイベント、東大vs明治学院。日本初の対校戦が今ここに復活を遂げました。ユニフォームも当時のものを再現。シンプルなデザインにハンチング帽が目を引きますね(写真は井坂・松田の両先発)。
 
東大のスタメンはセンターに初馬、サードには 夏の巨人戦 以来の岩川、そして先発は井坂!神宮で先発のマウンドは1年秋の新人戦以来、ダイナミックなオーバースローも復活し、初球いきなり135km/h…を松本にライト前に運ばれ、続く飯島もライト前ヒット、送られ岩本キャッチャー内野安打で1死満塁と早速のピンチ。しかし関谷を138km/hで三球三振!庄村も右飛に打ち取りピンチを脱します。2回は四球の走者を捕逸暴投で3塁に進めるも後続を断ち、3回は三者凡退。3イニングを無失点で復活を強く印象付けました。
一方明学の先発は左腕の松田。鎌倉学園のエースとして平塚学園・立花学園を連破し、一二三の東海大相模に一歩も譲らない熱投が記憶に新しいところです。初回は三者凡退に終わったものの、2回先頭の笠原がライトポール際に落ちる美しい弾道のホームランで先制!
井坂の後を受け、4回からは鈴木が登板。待ち望んでいた復活に、スタンドからは一際大きな拍手が送られました。先頭の関谷を初球右飛に打ち取り1アウト、しかしその後はコントロールが定まらず、庄村四球西田ライト前坂本ストレートの四球で満塁とすると、代打飯間にライト前タイムリーを打たれ同点…。完全復活は遠いようでたまらず関に交代、きつい場面でしたが連続三ゴロでピンチを切り抜けます。
同点のまま5回を終了。グラウンド整備の間、過去の出来事のVTRが始まりました。
    
日本初の対校戦であったこのカードは、日本初の乱闘事件も引き起こしてしまいました。それがこの「インブリー事件」。一時は外交問題に発展しかけたものの、インブリー氏の配慮によって収まり、今日の両チームの興隆を見るに至ったのです。この試合を観られるのもこの歴史あってのこと。事件の再現はあってはなりませんが、知っておくことは必要ですよね。
6回からは山本俊が待望のデビュー、庄村に対し初球いきなり138km/h!さらに141,140,138と続け、球場はどよめきに包まれました。なお全球ボールでストレートの四球。さらに西田にもストレートの四球で無死1・2塁。このピンチは坂本をスリーバント失敗、さらに重盗を笠原が刺して無失点で乗りきったものの、続投した7回に内野安打と四球、送られ1死2・3塁と再度のピンチ。岩本の当たりはライトフライ、有井が後方から助走をつけてキャッチ!と思った瞬間、ボールが思いのほか風に押し戻されたためか有井が落球…慌ててバックホームもセーフ、その間に2塁を狙った岩本を刺すために笠原が送球も交錯して中杉落球、その隙に2塁走者も生還。犠飛にダブルエラーが絡んだ形となり、2点を勝ち越されてしまいます。8回は辰亥が登板、貫禄の三者凡退。
2点を追う攻撃も7回からリリーフの水沼を攻めきれず、はや最終回2アウト。白砂が1塁線を破る2ベースで出塁、有井に名誉挽回のチャンスが回ってくるも、高々と打ち上げ一飛で試合終了。高校の部と合わせ、明治学院の150周年に花を持たせる結果となりました。

明治学院首都大学リーグで2部と言えど、スタメンは横浜隼人桐蔭学園が2人ずつ、他にも甲子園常連校が勢揃いで、その力を見せつけました。南原氏の挨拶にもありましたが、早期の1部復帰、そして1部優勝しての選手権・神宮出場に期待したいところです。
一方東大は笠原が来年への期待膨らむホームラン。山本俊は3四球はいただけませんが最速143km/h、バントも簡単にさせない球威はまさに北方悠誠ばりのロマンの塊。北方ともども大成してくれることを願うばかりです。そして井坂と鈴木。リーグ戦ではついに登板無しも、最後に神宮で魂の投球を見せてくれました。どうか次のステップで輝きますように!