去年の王座戦第3戦 以来約1年ぶりに陣屋へ。王座戦よりも終局時間が早い王位戦ということで、フレックス退社で現地に向かう万全の構え。到着時点で17時過ぎ、広瀬王位が9一に角を成った場面でした。直後に羽生二冠が△4八銀からの攻め込みをかけ、広瀬も馬2枚を自陣に引きつけ懸命に粘るものの、羽生が竜馬交換を経てと金を作り、攻めが途切れないことが明らかになった時点で戦いの趨勢は決したようでした。広瀬の穴熊は風前の灯に対し、羽生の穴熊は金銀4枚のガッチガチ。万策尽きた広瀬が形作りを行い、最後は解説の勝又六段が挙げた複数の決め手のうちで「一番羽生さんが指さなさそうな手」とした△8四角を見て広瀬が投了。4年ぶりの王位奪還を果たし、大山十五世名人の持つタイトル通算80期の大記録に並びました。

お互いが持ち味を出し尽くしてフルセットにもつれ込み、この決定的瞬間に現地で立ち会えたのは本当に幸せなことです。現在進行中の王座戦もフルセットまでもつれ、再度この陣屋で結末を見られることを願ってやみません。
そして昨日我らが丸山先生が挑戦を決めた竜王戦。7連覇中の渡辺竜王は強敵ではありますが、カロリーメイト・冷えピタに次ぐ新手を繰り出して竜王に一泡吹かせることを、心の底から期待しております。