今日は待ちに待った双青戦。当日が近づくに連れ上昇する降水確率に気を揉みましたが、幸いにも大降りになることなく予定通り試合が行われる運びとなりました。今年は一見サムスンライオンズを思わせるようなブルーユニのソウル大も加え、3校による対抗戦として実施。第1試合は東大vsソウル大、試合前の挨拶では贈り物の交換も行われました。

東大のスタメンは 6山田 9阿加多 5下嶋 7袖野 4岩川 3高橋 D末定 2下雅意 8田中 P関。一方のソウル大はDHを使わず、先発の左腕イ・ジョンホを2番打者としても起用。この選手は高校時代には強打の外野手として韓国高校球界では広く知られた存在であり、ソウル大入学後にはその抜きん出た能力のため投手も任されるようになったとのこと。
まず先手を取りたい東大は初回山田がライト前で出塁、阿加多が送って早速のチャンスも、下嶋の鋭い当たりがファースト正面のライナー、袖野三振で無得点。2回は2四球で1・2塁も後が続かず、3回ようやく阿加多・下嶋の連打から袖野遊ゴロの間に先制。続く4回にはヒットの下雅意を3塁に置き、山田の代打壁矢がレフトスタンドに2ラン!どうやら野手陣は2打席を目処として交代する起用方針のようで、これ以降も代打攻勢で続々と入れ替わっていきます。
一方の関は4回まで無失点も、3点の援護を受けた直後の5回に先頭打者の打球を袖野が判断を誤りエンタイトル2ベースとしてしまうと、次打者のゴロをサードに入っていた桐生が弾き無死2・3塁のピンチ。ここで1塁線際への絶妙なスクイズを決められ1点を返されます。なお1死3塁も三ゴロ投直で切り抜け、結局関はこの回限り、5回1失点で降板。
再度突き放したい東大でしたが、投手経験は少ないながらも巧みな投球を見せるイ・ジョンホや正面の打球はきっちり処理するソウル大守備陣の前に点が奪えず、7回桐生・水島のヒットで得た1死1・3塁のチャンスも佐藤三振と同時に飛び出した桐生が刺され、8回は2死1・3塁も平野中飛で無得点。
一向に追加点が奪えず安心できない点差が続く中、関の後を受けた福田は6・7回をパーフェクト。8回は山本俊、イ・ジョンホには法政安慶名ばりの流し打ちでレフト前に運ばれたものの球威で押して2三振無失点。リーグ戦では相手に飲まれて打ち込まれた2人も、この場では落ち着いて仕事を果たしました。9回は三木、ここに来て下手投げへの継投は効果的だったようで、3つのアウトをすべて三振で取ってゲームセット。何とか逃げ切りましたが、壁矢の一発が無ければどうなっていたかという辛勝でした。

試合後は次の対戦相手である京大の選手も交えて記念撮影。

続いては有井主将の選手宣誓から第2試合の京大戦。スタメンは東大がDHを使わず 4飯田 5山本克 3長藤 7笠原 9有井 8初馬 6中杉 2喜入 1辰亥 で、リーグ戦未出場勢から末定・岩熊・古田がベンチ入り。また笠原がレフトを守ったことで、残るポジションは投右だけになりました。一方京大のスタメンは 4佐藤 8中里 7前川 D坂 3森本 6上田 2小野 5奥田 9松尾、そして先発は田中。スタンドは田中効果か大入りの状況で、報道関係者と思しき方の姿もちらほらと。
 

2年ぶりに観る田中でしたが、先頭の飯田をストレートで、続く山本克をスライダーでそれぞれ空振り三振に仕留めると、最初の一巡をパーフェクト、7三振を奪う快投。打線の違いを考慮しても 2年前 から明らかな進化を遂げており、より近くで観ていることもありますがストレートの伸びは有原以上にも感じました。一方の辰亥は打たせて取る投球で、四球で出した走者も喜入のストライク送球で刺して3回まで無失点。
試合が動いたのは4回でした。表の京大の攻撃は先頭の佐藤が四球、中里送って前川ヒットで1死1・3塁。坂は二飛に打ち取るものの、続く森本が右中間を深々と破るタイムリー2ベースで京大が2点を先制します。6回にも中里ヒットと前川死球で2死1・2塁の場面に、またも森本がライト線に2点タイムリー2ベース。結局辰亥は6回4失点で降板、失点した4回6回以外は無安打に抑えていただけに、2アウトまで漕ぎ着けてからの長打が悔やまれる内容でした。
2番手は白砂が登板。7回に四球で出した走者を佐藤のレフト線への2ベースで還され1点を失うも、8・9回は落ち着いて無安打4奪三振と力を見せました。春季は一貫しない起用法に振り回されただけに、秋は打順を少し上げるくらいの投手専念で行ってほしいと個人的には思う次第です。
一方快投を続ける田中の前に東大は5回ようやく有井がレフト前ヒット。この回は後が続かなかったものの、7回先頭の笠原が左中間を破る2ベース、有井がよく見て四球を選び無死1・2塁。ここで京大ベンチが動き、マウンドで何やら話した後田中が降板して冨田登場。右のサイドハンドでmax138km/hという触れ込みで、怪我前の木村駿のようなタイプを勝手に予想していましたが、実際はそれよりは緩い球を中心に打ち取る投球でした。初馬は中飛に倒れるものの、代打山田が四球を選び満塁となって代打生田の当たりはファーストへのゴロ。山田は2塁で封殺されるものの、生田は懸命に走ってセーフ!併殺崩れとなって1点を返します。さらに生田に代えて代走に岩熊を起用、盗塁成功して2・3塁とチャンス拡大も、白砂中飛でこの回は1点のみ。
残り2イニングで4点差、冨田を崩して追いあげたいところでしたが、ここから京大の守備陣が冴えを見せました。飯田のセンター前に抜けようかという当たりをセカンド大背戸が軽快に捌きアウト。山本克はファーストへの鋭いライナーも森本飛びついてアウト。9回に入り笠原がライトに大飛球を放つも繁田がフェンスに貼りつきジャンピングキャッチ。そして極め付きは有井の右中間を抜けようかという当たりをセンター中里がダイビング!最後の下嶋も一ゴロに倒れ、京大が3年連続となる勝利を収めました。MVPは森本、優秀賞は田中、敢闘賞は笠原。

最後まで田中が投げると思っていただけに途中降板は意外でしたが、冨田が観られたのは個人的に収穫でした。台湾遠征と重なったため七大戦には来ないはずなので、改めてリーグ戦で田中ともども観ておきたい次第。今のうちから関西行きの予定を立てておかないといけませんね!