第106回全国高校野球選手権記念神奈川大会 決勝戦

ともに準決勝を死闘の末に制した横浜と東海大相模による決勝戦。今回は14時試合開始ということで、3塁側の最上段の席を確保。これが功を奏し、前半は曇り、後半に入り日が射してきた頃には既に日陰と、終始快適に観戦することができました。
横浜が奥村頼、相模が藤田と予想通り背番号1同士の先発で始まった試合は初回、横浜先頭の阿部葉が内野安打で出ると悪送球で2塁まで進み、奥村凌が送って椎木の左中間を破る2ベースで早々と先制。2回には2死2塁から池田がライト前も三浦の好返球で無得点に終わるも、3回2アウトから椎木がライトへの逆方向ホームラン!横浜が序盤で2点のリードを奪い、試合の主導権を握ります。
援護を受けた奥村頼でしたが、1回から3回まで毎回得点圏に走者を背負う苦しいピッチング。それでも要所を締めて無失点で乗り切っていましたが、4回1死1・2塁のピンチを招いたところでレフトに下がり、2番手で織田が登板。しかし三浦にタイムリーを浴びて1点差に詰め寄られると、5回には1アウトから金本にウイング席に飛び込む超特大のソロを被弾。同点に追いつかれ、なお2死2塁とピンチが続く場面で、奥村頼がレフトから再登板。和田を左直に打ち取り、同点で5回を終了します。
10分間のインターバルを挟み再開した6回表、横浜の打線が再点火。為永が死球で出ると、途中出場の江坂が2ベース、続く小野がレフト前に勝ち越しの2点タイムリー。初回の再現のような電光石火の攻めで再度勝ち越しに成功し、藤田を裏の攻撃で代打を出させて降板に追い込みます。その代打策も不発に終わり、奥村頼は7回も無失点。再登板をきっかけにしっかり復調した様子が伺え、後は残り2イニングを乗り切るだけとなった8回裏でしたが、そのままでは終われない相模も才田和田の連打に柴田送って1死2・3塁。一打同点の場面で、ショートから池田がリリーフ。奥村頼は今度はレフトには下がらず、ベンチに戻って戦況を見つめる立場になります。
この賭けに対し、相模も2番手福田に代打長尾を送る賭けで対抗。互いに大勝負に出た結果は長尾が四球を選んで満塁となり、続く三浦がセンター前に弾き返す2点タイムリー!ついに相模が同点に追いつきます。さらに日賀の叩きつけたゴロがファーストへの内野安打となり、再び満塁とすると、中村が左中間を破る値千金の2点タイムリー2ベース!!ついに相模がこの試合初めてのリードを奪います。
土壇場での逆転劇で優勝が目前に迫ったものの、藤田福田ともに使い切った状況で、マウンドに上ったのは塚本。春県の決勝で2回KOを喫して以来のハマスタでの登板でしたが、苦い思い出を振り払うように阿部葉を中飛、奥村凌を二ゴロに打ち取り2アウト。横浜も意地を見せ椎木がセンター前を放ち、7回の3ベースと合わせてサイクルヒットを達成。為永もレフト前で続き、一発が出れば逆転の場面まで持ち込んだものの、最後は江坂を遊ゴロに打ち取り試合終了!!!東海大相模が5年ぶり12回目の優勝を果たし、原俊介体制では初となる甲子園を決めました。

勝戦で奥村頼・藤田が投げたイニングはともに6。おそらくはもっと投げさせたかったであろうところ、武相・向上相手に体力を削られたことでそうもいかなくなったはずで、まさに準決勝あっての名勝負でした。甲子園では相模に頑張ってもらうとして、群雄割拠の秋の大会が今から楽しみですね!